家族と絶縁し赤裸々に語ったLinolinoが見えない愛をテーマに出した新譜Ribbon
新たな家族が誕生し長編小説「特等席とトマトと満月と」(以下”トクトマ”)を発売した紺野ぶるま
ライブ、MVとゲスト参加のきっかけもあり
どこか似たものを感じる女性ミュージシャンと女性お笑い芸人の対談をリアルをテーマに語ってもらいました。
聞き手 岡本晃弦
「Linolino音楽はヒーリング効果!?」
ありがとうございます!ぶるまさんもご出産、トクトマ刊行おめでとうございます!
すごくイメージが変わりました!
言語化すると柔らかいイメージで
アーティストの方にこういう事お伝えするのは失礼かもしれないですけど
なんかあったのかな?大きな変化が、、、と勝手に思ってます。
前はギャルっぽいイメージというか、、、今回はあったかくて柔らかいイメージを受けました。
今の自分って周りの人に愛されてるなーとある日思い、そうしていたら感謝の気持ちが湧き、今のその気持ちを曲にしました。
私、毎年5月病になるんですよ(笑)
雨の日とかは結構頭とか痛くなり、聴いてたらめちゃくちゃ緩和されて。すごい素敵な曲だなーって思ったんです。
Linolinoさんはネットニュースで壮絶な過去をお話されてるじゃないですか。
楽曲はファンタジーや幻想的だったり、可愛かったりと歌とのギャップにネットニュース見てびっくりしました。
確かにそういう過去だったのになんでそんなにキラキラした曲を歌うのですか?と結構言われます。
「25%ノンフィクション」
トクトマめちゃくちゃ刺さりました。
背景がものすごく共感しました。
あれって実話なんでしょうか?
25%くらいノンフィクションです。
自分がいる世界なので、見た話、聞いた話とか感じたものを書いてるので純度で言ったら100%かもしれないです。
そもそも本をなぜかけるのですか?普通書けないと思います。
「正直初めて小説書きました」
ずっと書いてた人なのか、書こうと思い、いきなりあれができたのか?
そう言ってもらうと自分が天才なんじゃないかと思ってきた(笑)
はじめてだったらまじ天才じゃん!って思ってしまいます
自己啓発本ばっかり読んでました。
小説は本当に読みやすいものしか読めなくて。
読みやすくしないと私みたいな人は読まないんで絶対。
確かに読みやすかったです。
描写もあるけど難しすぎないし、会話の感じとかスッと入ってくる感じでした。
そうですね。本にもよるし、その本のテーマにもよります。
私の場合、ぶるまさんの本の世界観が近いものを感じ共感できました。
場面がリアルに思い浮かびやすく益々サラサラ読めました。
Linolinoさんのいる世界ってあんな泥臭いんですか?
泥臭いし、私も女性アーティストだけで共演するので
楽屋の中のなんとも言えない空気感の感じとか分かります(笑)
本の中で一番ドキっとしたのは
主人公ムシナが良くないライブ終わりにお酒を呑むとそれが全部流れるから良くないよって場面。私はそういう時お酒を呑んじゃいます
お酒めちゃくちゃ呑む人が書く歌詞っぽくない、、、本当に不思議です
「甘いジェリービーンズ」とかすごい可愛らしい歌詞、でもたまに元々絶望してた一節があったりとか、、、すいません、勝手に色々考えちゃいます(笑)
あと、本屋大賞のノミネート作品は大体読んでます
後は最近話題になってる本とか、1回読んで好きになった作者さんの作品を追いかけます。
小説の色んなジャンルは読みますが、逆に自己啓発本とかリアルなのはあまり読まないです。
「特等席はライブハウス」
ムシナはその都度支えてくれる彼とか先輩芸人とかにちょっと「特等席」を感じてる描写もあったんですけど。
誰かに連れてってもらうんじゃなくて、自分でいきたいってことですよね?
そうですよね。それが強い女性って苦労しますよね。
例えば私の小説の中だったら
普通に結婚して子供産んでお金なくても愛があれば幸せ、これが特等席みたいな、のもいればね。
自分の力で勝ち取るもにしか価値を見出さないって所ですよね、きっと。
私はそうですね、賞レースとか出てて準決勝で勝つと決勝にいけるんですけど。
準決終わった後にすごい手応えを感じてて、これ決勝いったぞって結果を待ってるときの席が結構本当に最高潮。特等席。
結局決勝にいっちゃうと優勝以外は結構凹むので。
優勝ってなかなか難しい事なので。準決で結果を待ってる時が一番期待もあるし、達成感もあるし。
「バンド組んだら原由子になりたい」
前作でMVにぶるまさん出ていただいたじゃないですか。
実は謎掛け案じゃない案もあって。LinolinoがぶるまさんをやってぶるまさんがLinolinoをやるって案があったんです。もし、ぶるまさんがミュージシャンを目指していたら?
ヴォーカルかハラボー(原由子)さん、みたいな感じでヴォーカルを支えるキーボードがいいです
それは相手(ヴォーカル)が旦那さんだからいいってことですか?
それとも誰でもいい?
旦那さんもいいですし、そうですね、、、GLAYでいうとTAKUROさん。
確かにTAKUROさんはバンドリーダーで作詞作曲もされますし。
プロデューサー気質ですね。たまに歌って、プロデュースもするぞ、みたいな
そうですね、確かになんかアイドルの子とこうやりたいですよね、アイドルの子になんか上から言ってみたいです。(笑)
「作詞とネタは怒りが原動力!?」
実は怒りが原動力になることが多いです
今回のは怒りが原動力ではないですがきっかけとして喜怒哀楽は全部あります。
怒りで書いたとしても結局出来上がった曲と私の声の質感で全然初期衝動とは違う作品になったりします。
恋愛でも今この人のことが好きで超幸せってよりかは
うまくいってないときの方が不思議と書けます。
女性芸人がネタ書く時みたいです。
結構怒りで書く人も多いと思います。私もそうなんですけど。
それこそかいて笑いにして消化したり。
一緒です。
曲にして、自分が歌えた、曲になった、リスナーが聴いてくれた、ライブで盛り上がる曲になった。それで浄化されるというか。似てるかも、その感じ。
似てますね。
女性芸人も恋愛で振られた時、変な男性に会った時とか、書くときはめっちゃリアルに書きます。やっぱりネタなので。比喩とかは一切ないですね。
「本屋大賞にトクトマ!?」
今年本屋大賞ノミネートされるんじゃないかなって思ってます、ぶるまさんのトクトマ
あたしこの作品されるだろうなって毎年思ってるのいくつか当たるんですよね
ぶるまさんの「トクトマ」読んだ後ネットに
本屋大賞ノミネートされそうって書いてる方がいて分かるー!ってなりました。
これで全然だった時Linolinoさんで怒りのネタ書いちゃいますよ。(笑)
20冊ぐらいです。そこまで読めてないのですが、、、
すごい金髪だから本とか読まないのかなって勝手に思ってました。(笑)
読まなそうですよね(笑)
ずっと本読んでたから私もいつかは本を書きたい、今は歌詞で歌を歌うことを第一優先ですが。
それこそ戻りますが、ぶるまさんが今回小説はじめて書いたとか憧れで尊敬します、本当に。
自叙伝とかもかきたいし、本当は歌詞がファンタジーっぽいとか仰って下さったじゃないですか。
そこをコンセプトにした小説とかも書いて見たいです。
アルバムとかも本当はそれに基づく小説とかあったらいいなーって、書けたらいいなーって思います。
そういうのは思ってるんですけどなかなか書けないです(笑)
歌詞をいくつも書いてるからそれを長くするって作業ですよね、きっと
事細かな描写とか。
例えば電車に乗って東中野の劇場に行くみたいな所あるじゃないですか。それをどう表現していいのかわかんないんですよね(笑)長く書ける気もしない(笑)
色んな経験されてると思うので、私が書くエッセイより絶対おもしろいと思います。(笑)
ノンフィクションなものとか私は大好きです
「2年半の集大成!?」
「特等席とトマトと満月と」ってどれくらいの期間で書かれましたか?
ぶるまさん2年半前ってもう結婚とかも決めてたんでしょうか?
決めてたと思います。
今まで発売した3冊を同時進行で書いてたから遅くなってしまったのもあります
1冊目は「下ネタ論」ってゆいう内容がほぼち◯この話のやつかいて
2冊目は初めてのエッセイ集「中退女子の生き方~腐った蜜柑が芸人になった話~」を書いて、次は小説を書く事になって頭の中がごちゃごちゃしちゃって、それで余計時間がかかったっていうのはあるかも
小説書いてても途中でなんかち◯このこと考えちゃったりして、、、(笑)
私も読ませて頂きました。
個人的になんですが益々ぶるまさんめちゃくちゃ賢いって印象を受けました。
ち◯こ謎掛けも頭良くないとできないと思うし。
本の主人公ムシナも結局いい感じにずる賢い。
ぶるまさんがこの本によってアーティスティックなイメージがよりつきました。
来年とかアルバム出してたら怒ろうかなって(笑)
え、嬉しいです。
でもアーティスティックですか?リアルじゃないですか?
アーティストっぽくうつりましたけどね。
なんかち◯ことかどんどん封印していき
最終的には朝の情報番組出て毒舌を言ってそうです
このムシナも普通にいたら腹黒いなって思いました。
それが妙にリアルでそれを表現している著者のぶるまさんってところでも。
嬉しい!そうなんですね、ムシナって打算的っていうか。
やってることは恋愛とか不器用で下手くそなんですけど、本人自体はすごい鋭くてずるいんですよ。
私も最初不器用でダサい女の人を書きたいなと思って書いてたんですけど、途中から、え?こいつめちゃくちゃずる賢くない?って思いました(笑)
ムシナ、最初の方に彼氏に自転車で2時間かけてプリクラ捨てた、豚骨ラーメンの描写。あそこしか健気なところがない。
何回も読み返すととあそこしかないです、健気なとこ。
そこからは結構シンデレラストーリーで。
バレてるんですね。そうなんですよ、健気ではないんですよね。
そっか、やっぱバレるんですね、、、
私途中で気付いたんですよ。
あれ、なんかめちゃくちゃ腹黒いぞって(笑)
ちょっと私が感情移入して
これぶるまさんのリアルな体験なのかなって思って読んでいました。
体験ももちろんあります、はい
え、これってなんか100%私の話って言ったほうが面白かったりしますか?(笑)
どっちなんだろうっていうのがいいですよね
芸人さんってこういう世界なんだ、って意味でも夢と希望を持つ方もいると思う。
絶望を持つ方もいると思います。
こういう世界があるんだって知れること。がいいことだな、と思い私は読ませて頂きました。
「私は限りなく芸人寄り?」
歌詞とかってどこまで本当なんだろうみたいなのってやっぱ考えるじゃないですか。聴いてる方って。Linolinoさんは100%自分の話なんですか?
私はそうです。
ほぼ自分の体験で曲ができることが多いですね。
身近な人の事を思ってかくこともあるけど
その人をみてる私目線、私がその人へ想ってる気持ちでかくことが全てです。
「この先も書き続ける」
こたつから出なくても生きていけるみ世界に憧れてて。(笑)
家で仕事ができるってすごい幸せなこと、化粧したり、服とか着なくてもいいっていう。
それに憧れてます(笑)
好きな時間に起きて自分のタイミングで仕事をするっていう。
幸せですよね!絶対!
そういう意味で憧れますね。
Linolinoさんは勝手なイメージですがガンガン外に出ていきたいタイプに見えます。
はい、出ていきたいタイプです。
あんまり家に居たくない。
これもちょっと自分の中のイメージなんですが
私の友人でLinolinoさんと近い経験をしてる友人がいます。
その友人もリアルなものよりも物語とか作品に入り込むのが好きなんですよ。
さっきお話聞いて、勝手に幼少期家庭内で起きていたことの隣で物語にギュッとなってるLinolinoさんが見えました。
ごめんなさい、ちょっと占い師みたいで(笑)
基本こうやって勝手に私、人の想像して感情移入して、うんうん。とか思ってて。(笑)
だから書けるんですね。
それぞれのムシナ以外にも色んな人の立場に立って置き換えれるから書けるのかもしれないですね。
全然です。だからLinolinoさんの今回の曲の歌詞とか聴いてて
現実で辛い時に綺麗な言葉とかを思い浮かべてたのかなーってなんか勝手に思ってました。
現実に目を向けちゃうとしんどすぎるから。
考えたことなかったですが、そうなのかもしれないです、確かに。
まとめ
同じ職種で同期だったら二人の関係性は?と思いました。
無茶苦茶仲悪いか、一生付き合う友人関係か?そんなことを感じた対談でした。
是非、二人の作品を肌で感じて欲しいです。(岡本晃弦)
Linolino「Ribbon」セルフライナーノーツ
✩2022.5.25(Wed.)「Ribbon」配信限定リリース!✩
1 ラブリーダーリン
2 喜怒哀ラビュー
3 わたしのひかり
4 アイビー
各配信サイトへはこちらから!
1.ラブリーダーリン
どんな時だって愛を繋いでくれる貴方はヒーロー?
どこまでも飛んでいく優しい愛に触れて
皆が幸せになれますように。
2.喜怒哀ラビュー
喜怒哀楽が忙しない毎日を生きる私
ダイヤにはなれない私
そんな私に
どんな時でもアイラビューを伝えてくれる
貴方は宝物です。
3.わたしのひかり
あの日手をとってくれなかったら今の私はいないかも。
とっておきの居場所をくれた
私を救ってくれた貴方へ。
4.アイビー
限りある人生の中で
愛してる、と言える私になれて良かった。
私に愛を教えてくれた貴方に最大級と愛と感謝を込めて。
特等席とトマトと満月と
打算が見え隠れ、情感豊かに自信無さげに立ち振る舞う主人公ムシナ。
「特等席とトマトと満月と」主人公、相手、季節と歌詞のセオリーにはめる紺野ぶるまの
さりげないセンス感がにくい。さらっと読めて不思議に心に残る、きっと10年先もエヴァーグリーン。
(岡本晃弦)
プロフィール
Linolino(りのりの)
熊本県出身、キュートな明るい声質で良質なPOPSを歌う。
ミニアルバム「okonanno」ではアートディレクターに宍戸留美を起用。リリースした作品やライブMVのミュージシャンには人時(黒夢)や佐野康夫、西平彰が参加。
2021年2月には4曲入りEP「MÅGIC TIME」をリリース
その後波乱万丈の自身の過去を打ち明け2021年8月25日 2曲入りコンセプトEP「SEKIRARA」をリリース。ハライチ岩井勇気がMCを担当する音楽バラエティー番組
テレビ埼玉「ドレスキーとコレスキー」の2021年9月度パワーアップアーティストに抜擢。
2022年5月25日に4曲入りEP「Ribbon」をリリース。
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紺野ぶるま(こんの・ぶるま)
1986年9月30日生まれ。東京都出身。
21歳で松竹芸能の東京養成所に入り、お笑い芸人の道へ。どんなお題でもすべて「ちんこ」で解く“ちんこ謎かけ”で話題に。「ABCお笑いグランプリ(2017年)」、「R-1ぐらんぷり(17年、18 年)」、「女芸人No.1決定戦 THE W(17、18、19年)」で決勝進出。著書に『下ネタ論』(竹書房)、『中退女子の生き方』~腐った蜜柑かが芸人になった話~(廣済堂出版)、『特等席とトマトと満月と』(竹書房)がある。
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企画、構成
岡本晃弦
1982年愛知県生まれ 2007年テイチクよりデビュー。
現在はフリーランス としてマニュピレーター、ディレクター、コンポーザー、ギタリスト、ボーカルトレーナーと多岐に渡って活躍、野球とお笑い好き。好きな言葉「舎弟」嫌いなものナス。
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